2014年3月13日

EASTONのwhite paperを読んでみよう

EASTONから、2013年7月に発行されたドキュメントを読んでみましょう。

ダウンロード(PDF)→ EASTON cycling EC90_WP1.pdf




2014年モデルのイーストンEC90 Aero55は、Zippから提示された、太いリムで空力を
より改善させた形状への変遷の中で、最後発となる、一番じっくりと他社を研究して作られた
ホイールセットです。

このイーストンEC90のリムはphantomリムと呼ばれ、他社との空力比較において優位性をアピール
する文章となっています。




上の比較テーブルでは他社ホイールとの比較がなされています。
私が個人的に好きなENVE6.7と比較しても、エアドラッグ(乱流の発生)が時速30マイルの時、
40g少ないことが示されています。

マイル表示なので48km/hぐらいでしょうか。

下のテーブルでは、phantomに各社のタイヤを着けた時のデータを比較しています。
前輪のタイヤは細い方が速い傾向にあることがわかります。


ほかにフルカーボンクリンチャーの耐熱性テストもあり、260度まで耐熱性があるなど、
かなり過酷な試験を繰り返して開発されたことが伺えます。



そしてもう一つ、ホイール全体の剛性、ハブなどのテクノロジーを解説してくれている
white paperがありました。

ダウンロード→
Easton_Durability WP
 
http://www.eastoncycling.com/bike/wp-content/uploads/2013/07/Easton_Durability_WP_loRES1.pdf


ここでは、イーストンのホイールの組方に関する考え方にも触れられます。



2014年現在において、10年近く前に発売された7800系デュラエースと、ベアリングの配置された位置について
比較しています。(それだけ78世代の完成度が高かったのでしょうか?なぜ9000系ではないのか?)

この2つのベアリングの間隔によって、ホイールのヨコ剛性に影響がありそうなことは、容易に
推察できますね。








あなたはスポークテンションメーターを信じますか?

このあたり、のむらぼさんのお話とも合わせて読むと面白そうですね。














2 件のコメント:

  1. https://twitter.com/D09SPEED/status/444098217567744000
    | D09SPEED: イーストンのカーボンクリンチャー(TLでもあるが)で耐熱性260度。ZIPPのテストでもそれぐらい加熱してたような気がするんだが。PDFでは、ZIPPはすぐにダメになっちゃった。って書いてある

    | We don’t make that claim lightly—we’ve tested plenty of our competitors’ wheels
    | and all, with the exception of our EC90 Aero wheel and Zipp’s 404 Firecrest,
    | have failed before making it to the test’s two-mile end point.
    「EC90 Aero 55とZIPP 404 Firecrest *を除いて* 2-mile testをゴールできなかった」

    ZIPP 404は生き残ったんですよ。他社勢唯一の生き残りです。

    ↓あとこの件、連絡方法がないので日記に書いて放置していたのですが、この際なのでまとめて送りつけてみます。
    https://twitter.com/D09SPEED/status/436306660194127872
    | D09SPEED: @NouveauKaste カステ、この画像の出所の文献とかわかる?スポークホイールの後輪の物理シミュレーション。
    | http://pic.twitter.com/Xch5xTFj6i

    http://www.williamscycling.com/assets/images/product%20tech/Bicycle%20Wheel%20Spoke%20Lacing.pdf
    5秒でみつかりました。まだ見ていなければどうぞ。

    BICYCLE WHEEL SPOKE LACING
    - リアホイールは非対称でありNDSはスポークテンションが小さい.ペダルを回すとleading spokeのテンションが下がり,ゼロテンションになる場合がある.回転する度にこれを繰り返すと疲労破断に至る危険性がある.簡単な解決法はNDSラジアルである.トルクによってテンションが変化しないため.
    - 3x/3xホイールと2x/2xホイールのpretension状態,ライダーが乗車した状態,そしてトルクをかけた状態のスポークテンションを調べる.ライダーが乗車するため下部のスポークのテンションが下がる.トルクをかけるとtrailing spokeが上がりleading spokeが下がる.初期状態ではDS 650N/mmsq,NDS 390N/mmsqであった.3x/3xにトルクをかけると747/248となった.Sapim CX-Rayの許容最大負荷が1600N/mmsqなので安全係数は2.1であり,最小テンションも十分に安全な領域なので安全なホイールだといえる.2x/2xでは763/285となり,最大・最小テンションともに高い(=トルク伝達が少ない?).
    - 最小テンションとなるのはNDSの真下のleading spoke.最大となるのはDSの真下以外のtrailing spokeであり,真下でテンションが下がる以外は重量をすべてのスポークで分散しており,どこかが集中して上がることはない.
    - NDSをラジアルにするとトルクの影響がなくなるため,NDSの下部のテンション低下がほぼなくなる.反面DSのスポークテンションは上昇し,回転によるテンション変化の範囲も大きく,スポークとニプルの疲労破壊を考慮するべき範囲に踏み込んでいる.
    - DSラジアルでは最大/最小テンションが680/183N/mmsqとなり,どちらももっとも低い.最小テンションの余裕が少なくNDS leadingの変動が激しい.最大テンションが低いので鉄より弱いアルミスポークなどを使う場合に有利な組み方だと考えられるが,鉄スポークを使う場合には意味はない.
    - NDSラジアルでは最小テンションが4種の試行の内で最大であり,テンション抜けの危険性が少ない.
    - 側面方向剛性はDSラジアルがもっとも変形量が少ない.これは驚きの結果である.というのも次の章でこのホイールがもっともヤワであることを示すからである.DSラジアルはある意味ホイールにバランスをもたらしているといえる.
    - 逆にNDSラジアルはもっとも変形量が多く,シュータッチの可能性が高い.
    - 両面クロスデザインは片面ラジアルの中間で,どちらも同じ値を示した.
    - 28Hとスポーク数が多いのでどのホイールも1/4mm程度の変形に収まっている.スポーク数が減ると変形量も増えると予想されるが,lacingによる傾向は変わらないだろう.
    - トルクによるホイールの変形においては,実際はリムの変形ではなくスポークの延びが変形力を吸収していると考えられる.
    - 両面クロスがどちらも変形が少なく,DSラジアルはその倍も変形する.NDSラジアルではその85%ほど変形する.
    - 結論.リアホイールには両面クロスが最強であり,スポークの本数によってフランジの接線にもっとも近いクロス数を選択しよう.

    DSラジアルageてsageる→なんだこいつNDSラジアル万歳派かと思ったらそんなことない→あ……当たり前の結論が出てしまった(ズコー
    という様式美に至るためには数字を積み上げて行かなければならないというたいへん為になる論文でした。

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    1. こんなにたくさん詳細かつ多岐に渡る返信をいただいてどうもありがとうございます。
      大変嬉しく思ってます。(カステかな?)

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