2015年12月4日

the cut 製作裏話的な

the Cut by イヌイヌゴヤ


/*この記事は冬コミの宣伝も兼ねてます。*/


冬コミの配置ですが、我々イヌイヌゴヤは


二日目
西る28a


に配置されています。
どうぞよろしくお願いします。


今回の冬コミで、自転車の部品のカットモデルだけを集めた写真集を作ろうと思い立ち、
やはりただディスクグラインダーで金属パーツをぶった切って写真にするだけでは
インパクトが弱いな…と考え、とりあえず何か面白い事はないか?と
考えを巡らせ、カーボンパーツの成り立ちを電子顕微鏡とか…
そういった緻密で微細な構造を撮影できれば面白いと思い、
東大阪にある「東大阪産業技術支援センター」にご連絡させていただき、
設備機器を使わせてもらおう!とコンタクトを取りました。


81422e6c-dc07-41df-a694-4a7ad858e92e


東大阪といえばものづくりの街、小さな製造業の工場がところ狭しと並ぶ街です。
精密加工とかバネとか…機械加工、部品を手掛ける工場が集まる街です。

支援センターはそんな街のど真ん中にありました。

今回お借りしたのはKEYENCE社のVHX-2000というデジタルスコープです。(リンク先は後継の5000です)
最大2500倍まで拡大した画像をJPGで、
お馴染みの画像形式でUSBメモリーなんかに保存できる、という説明に惹かれ、借りてみました。

こちらの顕微鏡は料金は一時間1600円です。
事前に連絡して予約が必要です。
平日の日中しか開いてないので、有給を使って来ましたw
自転車店の人なら利用しやすい形態だと思います。

まず受付で連絡先などを登録し、部屋まで担当の方に案内され、VHX-2000に試料をセット。


今回持ち込んだのは

・ENVE 1.45 TUカーボンリム。スポークホールが破断したものを部分的にカットしたやつ
・中華カーボンシートポスト。FSAのパチモンです。
・TIME vx EDGE、ちょっと古いカーボンフレームです。事故で破損したフレームからシートチューブの一部を採取して試料としました。

他にLightweightのMEILSTEINオーバーマイヤーのカットしたものも持ち込んだのですが、
リムハンガーとして再生する予定がありリム円周1/3ぐらいの大きなもので
スコープの試料を載せるテーブルからはみ出して危ないので今回は見ませんでした。




enve 1.45 TU カット x250 深度合成


まず250倍の装置をスコープに取り付けて(倍率が低いほうがピントが合わせやすい)
色々とレクチャーしていただき、後半30分ごろから2500倍まで拡大可能なスコープに取り替えてもらいました。


まず感動したのがVHX-2000のソフトウェア。めちゃめちゃ使いやすく、
誰でも30分触れば操作方法がわかるのでは、と簡便で迷わないインターフェイス、
さらに画像結合なんかの処理や深度合成画像
(ピントが合う範囲が極端に狭いので、ピントの合った複数の画像から広い範囲にピントの合った画像を自動処理で合成)
、簡易3Dマッピングまで行え、
至れり尽くせりな機械でした。


timeシートチューブ・ミクロン2

取り込んだ画像はこちら。

TIMEのシートチューブのカーボンです。
右手前のケバケバしてるのがベクトランかな?と思います。
炭素繊維よりかなり太いのがわかるかと思います。
TIMEだけRTM製法なのでレジンがどんなふうになってるか見えるかなー?と思ったんですが、残念ながらそこまでは見れませんでした。



今回持ち込んだ試料、ディスクグラインダーで切ったものばかりで、平滑ではないので、表面がガタガタしており、失敗したかもしれません。

なので、このthe Cutは炭素繊維製品の資料とか、そういった学術的研究用途には全く向きません。

カーボンどうなってるのかなー?っていうのが見たい人向けです。


日本中、探せばこういった設備を時間ごとにレンタルできる施設が点在しており、
カーボンを焼くためのオートクレーブもレンタルできるところもありました。

冒頭に書いたように登録は必須ですが、自転車店の方で、ちょっと高じてしまった人とか
独自にカーボンフレームを自作したい人、フレームビルダーさんなど、ご利用されてみてはいかがでしょうか?




e0c2a94f-b070-4472-ad75-b5f99bfd3a86


お邪魔したあとはすぐそばの麺屋7.5Hzでチャーシューメン大で!
美味しかったー。


こういうマニアックな自転車ボン、どんだけの人が欲しがるか全く見当がつかず、もしかすると
多すぎたり少なすぎたり、ぜんぜん数が読めません。会場で売り切れちゃったらごめんなさい。
委託も反響しだいで考えています。

次は自転車擬人化本をテコ入れしなければ。
では、コミケで会いましょう!

0 件のコメント:

コメントを投稿

ページビューの合計